彼の視線を背中で感じながら、私は喫茶店を後にした。
「また会いたい」というひとことが言えなかった自分のふがいなさに、思わず涙がこぼれてきた。
せっかくメル友の彼と初めて会え、そして会った瞬間からずっとこの人と一緒にいたいと思ったのに、次の約束をしなかった私達。
会いたい。でも…彼の気持ちは?
「彼…大きな目が印象的な人ね。口元にほくろがある。
でも彼は実際のあなたの姿にすごくひかれたみたいだし、次の約束しなかった事をとても後悔してるわ」
せ、先生!私、彼の容姿のこと、全然話していないのに、なぜわかるの!?
しかも彼の気持ちまで。
「赤坂フィール」のリオン先生の圧倒的な霊視・霊能力は占い好きな友達の間でもかなりの評判。でもそれにしても…凄すぎる。先生は、親しみやすい明るい声で言葉を続けた。
「どうしてかわからないけど、あなたのことはもちろんのこと、彼の容姿、気持ち、言葉遣いまで、全てのことが私の中にすっと入ってくるのよ。
時には私の“別の存在”が事実を私に伝えてくれる事もある。
それは私の守護霊なのかもしれないけど…。
そう、彼、すごく後悔している。しまったって思っているわ。
ただ彼はプライドが高い人なので、自分からなかなか言い出せないのね」
リオン先生は、相談者やその相手はもちろんのこと、向こうに浮気相手がいる場合には、そちらの気持ちや意識、性格・容姿・癖に至るまで、手に取るように分かるのだという。
しかも霊視をふまえ、例えわずかな可能性でもそれを何とかしてしまう、実践的なアドバイスをしてくれるのだから頼もしい。
「大丈夫。彼に女の影は見えないわ。
ただ、あなたからメールを打つ日はこの日にしてね。そうすればうまくいくから。
あとね、中指に指輪をするのはやめたほうがいいわ。土星宮が強く働きすぎて、男性は近寄りがたくなるの」
ギョッとしながら私は慌てて中指にしていた指輪をはずし、先生の霊視力に改めて驚愕した。
でも今の私はもう中指に指輪をすることはない。
だって薬指に彼からもらったリングがあるのだから。
メル友がまさか結婚相手になるなんて、思ってもいなかった。
でもそんな夢のようなことを実現できたのも、実力と親しみを兼ね備えたリオン先生のお蔭。
私の運命に奇跡を起こしてくれた、本物の霊視・霊能力に心から感謝…。
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